王家に伝わる7つの宝石がつけられたベルトによって平和を守られていた、デルトラ王国。
しかしベルトが影の大王に破壊され、宝石が持ち去られてしまいます。
王国は影の大王に支配され、平和は失われました。
16年後、鍛冶場の少年リーフが隠された宝石を取り戻すために、冒険の旅に出発します。
宝石は番人に守られていますが、リーフはともに旅立った仲間と知恵をしぼり、
宝石の力にも助けられながら一つ一つ、取り戻していきます。
戦いの描写は少なく、番人に打ち勝つことよりも宝石を取り戻すことに主眼が置かれていて、
剣と魔法のスペクタクルを期待すると肩透かしを食らうかもしれませんが、目的を見失わない信念も感じられて、緊張感は高まります。
冒険の中での成長はもちろん、物語の伏線、どんでん返しもあり、全8巻というボリュームですがページを繰る手が止まりません。
大人でも子どもでも、素直にのめりこめる物語です。ぜひご堪能ください。
紹介の書影は単行本ですが、フォア文庫版では表紙絵、挿画が変わっているので、単行本の表紙が怖いな、という方も入りやすいと思います。